子育てワンポイントアドバイス

教育への投資は早ければ早いほど効果が高い

二つの研究から分かる就学前教育の重要性

ペリー就学前プロジェクトとアベセダリアンプロジェクト。
この二つの研究は、対象として無作為割り当てを使用したことと、子どもが大人になるまで長期に渡って追跡調査をしています。
結論から言うと、子どもたちが豊かな環境を幼少期に体験すると、IQテストや学力検査で測定できる能力(認知能力)と、意欲、忍耐力、社会性など生きる力(非認知能力)の両方が高まるという結果を示しました。二つの研究に共通しているのは子どもだけでなく親への支援も行なっている点と遊びです。
ペリー就学前プロジェクトとは?
ペリー就学前プロジェクトとは1962年から1967年に米国、ミシガン州で、低所得のアフリカ系58世帯の就学前の子どもを対象に実施されました。
30週間、毎日午前中に2時間半ずつ教室での遊び中心の授業を受けさせ、さらに週に1度は教師が各家庭を訪問して90分間、特に自主性を重んじる教育がなされました。
そして、就学前教育終了後、これを受けた子どもと受けなかった対照グループの子どもを、40歳まで追跡調査しました。
アベセダリアンプロジェクトとは?
アベセダリアンプロジェクトとは1972年から1977年に米国のノースカロライナ州で行われた幼児教育プログラムです。
平均年齢4.4ヶ月の子ども111人を対象に8歳まで実施され、子どもが12歳、15歳、21歳、30歳、35歳の時にデータを収集するという長期の研究でした。
小学校に入るまでの5年間は1日6〜8時間の授業が行われ、クラスは少人数(乳児3人に対し先生1人、5歳児6人に対し先生1人)で行われました。
小学校に入学してからの3年間は親との面談を行い、特に言語教育に力を入れた家庭学習のカリキュラムを作成し、家庭学習の進め方の指導も行いました。
アベセダリアンプロジェクトの効果として、プロジェクトに参加した子ども達は14歳〜15歳のIQが高く、高校を卒業した割合も67%(対照グループは51%)と高くなっています。
また大学進学率も35%(対象グループ14%)、卒業率も23%(対象グループ6%)と高い割合を示しました。プロジェクトに参加した子どもは健康面でも良い結果が示されました。
 
最終的な追跡調査(ペリー就学前プロジェクトでは40歳、アベセダリアンプロジェクトでは30歳)では、就学前教育を受けた子どもは、対照グループ(受けなかった子ども)よりも学力検査の成績がよく、学歴が高く、特別支援教育の対象者が少なく、収入が多く、持ち家率が高く、生活保護受給率や逮捕者率が低かったということです。
上記はアメリカでの研究なので、日本にすべてが当てはまるとは言えませんが、就学前、つまり小学校に上がる前にきちんとした教育を受けることにあると実証した点では参考になる点が多いと思います。
 

 

 
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